こころにゆびわがあるよねえ新宿区の境目
おおにしなお/第2回「巨大賞」全作品リスト
第2回「巨大賞」川柳部門二席の作品。
正直ふだんのおおにしさんの俳句とあんまり変わらないなと思いつつ、川柳として出されたその「境目」が気になる。あくまで作者の過去作から相対的にみた限りだが、やや落ち着いた印象のあるこの句の、その「落ち着き」こそが川柳として書かされたことの結果なのだろうか。
新宿区が接しているのは豊島区、文京区、千代田区、港区、渋谷区、中野区。二十三区の端にある区を出すのではなく、どららかというと個性的な区に囲まれた新宿を詠むあたりに、「境目」がぼやぼやと拡散していく感覚を持つ。
「こころ」に「ゆびわ」と書かれると何かロマンティック・ラブのようなものを思わされるけれど、あまりそうは受け取りたくない。どちらかというと「こころ」という観念的なものを身体的な輪郭として定着させるために「ゆびわ」が用いられたのだと私は読んだ。そしてそれは「新宿区の境目」的なひとつの輪郭が現実のカオスな新宿区を閉じ込める構造と似ている。定型の存在もまたこの少し長律の句をこの世界にとどめるための境目なのだろう。
ちなみに最近の私のこころには『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 DS』というカードゲームソフトがある。かなり完成度が高いのよねえ。
https://haiku.monster/contents/bounenkai-2025より引用。