SENRYU REVIEW

それいゆるうぺ

「蜂」会員による一句評を掲載しています。毎日更新。

共通の話題が嬉野しかなくて

南雲ゆゆ『揶揄の¨』(2026)

 決しておめでたい雰囲気ではない。緊張が走る、とまではいかないが微妙に気まずくはあるだろう。いや、嬉野の話題が続いているうちはまだましかもしれない。やがてそれが尽きたとき訪れるだろう、まさしく嬉野温泉が枯渇した嬉野市がそうなるであろう絶望的なヴィジョン。そのうっすらと想像できる光景は下5のひらがな「しかなくて」が「かなしくて」のアナグラムであることで準備されている。絶望そのものより、絶望をが待っていることが哀しいのだ。