犬がべろからはえてきてわんわんわわーんわんわんわわーん
公共プール『プ』(私家版、2024)
おうちをきいてもなまえをきいても上手く答えることのできない仔猫ちゃんの代わりに、べろからおまわりさんきどりの犬がはえてきて歌い始める。こわがってはいけない。おまわりさんだって困ってしまってわんわんわわーんだ。困っている者同士、歌い合い、鳴き合うしかない。
考えてみれば、愛って、そういうものだろう。いずれ、おうちもなまえも分からなくなったとき、犬はぼくのべろにもはえてきて、歌ってくれるだろうか。そのとき、みんな忘れたぼくも一緒に、わわーん、と泣けるのだろうか。