SENRYU REVIEW

それいゆるうぺ

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許せない男を殺す春の夢

城後朱美 (川柳データベース@okajoki)

今日は「夢をかなえる日」らしい。
語呂合わせが強引すぎると思う。ところで、こういう夢も、かなえた方がいいんですかね。

春の夢というのがいい。この人はきっと殺せないだろうから。夢に見るだけ。
文字数の都合で許せないという内訳は分からない。ひとつひとつの単語は強いのに、あくまで夢。そこに矜持がある。許せない男を殺して新しくなりたい。それも全部春の、夢まぼろし。分かっていても繰り返すなんて落語みたいで、変わらない情動を感じる。つややかで、うらやましいほど激的な、かつて愛でていたもの。

作者の句には「夢」を読み込んだものが多く、「夢一つケニアの象に会いにいく」なんかもさみしくて好きだ。「コツコツと小銭を貯めて次女の夢」のように生活感に溢れた句も、言葉の組み合わせで郷愁が生まれている。「夢ばかり見てまだ夫に恋してる」は魅力が分からなかったのだが、こうして見ると味わいが変わった。この人は夢想家のような顔をして、かなわないことを知っている気がするから。

夢、夢、夢繰り返す、間に合わなくなったゆめの欠片ばかりのまされて、いっぱい。きらきらしたユメを見ると疲れるの。できれば同じ温度で、許されるならもっと経験していない世界を見せて。ことごとく笑ってなくてもよかったと思いたいYUME。こぼれおちたかけらを拾いたくて、夢中で言葉をほしがる。川柳はそんなとき、ただわたしのそばにいてくれる。

出典:https://okajoki.com/db/search.php